有職菓子御調進所 老松 北野店「京菓子づくり」体験
【所用時間】約1時間
【料金】一般:2,500円 修学旅行生:1,500円
【予約】要/2名〜OK
この記事では、京都に伝わる伝統工芸の体験を行います。お菓子づくりも含まれるの?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は芸術性の高い「京菓子」は京都市の指定工芸品に含まれているのです。
「老松」の本店である北野店は北野天満宮のすぐ近く、上七軒(かみしちけん)という花街の一角にあります。今年で京都在住6年目になる私ですが、石畳の通りに町家が並ぶ美しい景色には京都らしさを感じます。
和菓子づくりといえば割烹着に白い帽子!?着替えたりする必要はあるのかなぁと思いながら行きましたが、エプロンなどの持ち物は一切なく、普段着のまま体験できます。
11月のモチーフは照葉と紅葉。お題は季節によって変わるようですが中でも紅葉は一番難易度が高いみたいです!
和菓子の季節感は、四季ではなく二十四節気。昔の人はとても繊細に季節の変化を感じていたのですね。
まず棒状の「こなし」と呼ばれる白あんに小麦粉や米粉を合わせた京都特有の生地を5等分にします。この奇数に割る作業が意外に難しい!
しかし職人さんは計りを使わず、感覚で均等に分けることができるそうです。修学旅行生からの「かっこいい!やっぱり職人さんなんですね」という声に中丸さんはちょっと得意げ。ちなみに、老松では1つの生菓子の重さは50gと決まっているそうです。
完成した紅葉を中丸さんの紅葉と比べてみると、同じように作ったつもりが全然違い、ちょっとショック・・・。ただどんな見た目をしていようと味は同じなのでそこは安心です。
和菓子は五感の芸術。視覚だけではなく、実はそれ以上に重要となるのが聴覚だそう。和菓子には一つずつ「菓銘」という、作り手の思いが込められた名前が付けられます。そして作り手とお客さんは視覚と聴覚を使って、和菓子から伝わる共通認識による遊びを楽しみます。
「見た瞬間に、はっきりと何を表したか分かるものよりも、見て、菓銘を聞いてなるほどと思えるお菓子の方が、面白いし格式高いのです」と中丸さん。和菓子の世界も奥深いのですね!!
残りの4つは持ち帰ることができます。人に食べてもらう際は「菓銘」をつけて、思いが伝わるのか試してみたいですね。
和菓子はコミュニケンションツールというのが今回の体験の結論。今後和菓子を食べるときは、ただ美味しいだけではなく、どんなことを表現したのか想像しながら食べたいと思います!
次回は「くみひも手組み体験」でオリジナルのくみひも作りに挑戦します!楽しみです!
有職菓子御調進所 老松
住所:京都市上京区北野上七軒
営業時間: 8:30-18:00
定休日: 不定休
Tel: 075-463-3050
HP : http://oimatu.co.jp
STUDIO
TEXT BY MARIE SAKIKAWA
PHOTOGRAPHS BY KUNIHIRO FUKUMORI
16.11.22 TUE 17:56