TOP CRAFTS NOW STUDIO 編集部・崎川の工芸体験 vol.3 昇苑くみひも「手組み」

STUDIO

編集部・崎川の工芸体験 vol.3 昇苑くみひも「手組み」

編集部最年少の崎川が様々な職人技に挑戦するシリーズ第3弾は「手組み体験」です。今回は、昇苑くみひもを訪れました。

昇苑くみひも 宇治本店「手組み体験」
【所用時間】約1時間
【料金】2,000円
【予約】要/1回に付き1名~4名

左は今回教えてくださったスタッフの八田さん。

左は今回教えてくださったスタッフの八田さん。

 

昇苑くみひもは、平等院などがある宇治の観光地から徒歩圏内にあります。くみひもとは複数の糸の束を組み上げていくことによりできる紐のこと。昇苑くみひもは、糸染めから糸組み、仕上げ加工までくみひも製作の全工程を一貫して行う国内で唯一の会社です。

今回は八つの糸束を使って組む「八つ組」と呼ばれる紐作りに挑戦します。使用するのは「角台」という手組み組台。台には紐がついた重りが8つぶら下がっており、この重りを左右に動かして行くことで紐を組んでいきます。その動かし方にはルールがあり、時計回りと逆回りを交互に繰り返すので、最初は順番を間違えたり、糸を持つ手がいつの間にか逆になってしまうなど、なかなかスムーズに進めることができません。一つ一つの作業を八田さんに確認してもらいながらだんだんと作業を覚えていきました。

img_8827

右手と左手で同じ色の糸を持ち、回します。

糸の束を持ち上げると思っていたより重たくてびっくり!重りは糸巻きの機能も兼ねています。

中心にあるのは金属棒です。周りの重りのバランス感が絶妙です。

 

ふと、他のことに気を取られ、糸の動かし方を間違えてしまいました。しかし、くみひもの場合は失敗したところまで戻ってやり直すことが出来ます。八田さんが直してくれて、ホッと一安心。

最初はぎこちなかった私もだんだんと慣れてきて、周りから「上手になってきたね」と嬉しい声が。

img_9012

この紐の部分が20cmくらいになるまで作業を行います。

 

徐々にできていく紐を見ると、紙袋の持ち手などに使われるよく見慣れた紐であることに気付きました。あの紐は今作っている「八つ組」というものだったのかと、八つ組が思いのほか身近にあってびっくり!

日頃見慣れている物ほど意識することはないですが、今回自分で作る体験が出来たことで紐について知り、さらに興味をもつことができるという良い経験となりました!

昇苑くみひもには今回使用した角台の他に3種類の手組み台があり、細かい柄が作れるなど、それぞれ特徴があります。左手前の綾竹台と右の高台は平たい紐を組むことができ、左奥の丸大は見た目シンプルですが、唯一丸い紐と平たい紐の両方を組むことが出来ます。

昇苑くみひもには今回使用した角台の他に3種類の手組み台があり、細かい柄が作れるなど、それぞれ特徴があります。左手前の綾竹台と右の高台は平たい紐を組むことができ、左奥の丸大は見た目シンプルですが、唯一丸い紐と平たい紐の両方を組むことができます。

 

完成した紐はストラップとキーホルダーに加工して頂き、持って帰ることができます。

完成した紐はストラップとキーホルダーに加工して頂き、持って帰ることができます。

 

完成したくみひもは、職人さんが作った紐と比べると柔らかいことに気が付きました。職人さんのくみひもは紐だけで形をつくる飾り結びに使われることが多いため、形が崩れないよう目が詰まっていて、硬いものでなければいけません。
硬く張りのある紐をつくるためには重りを回して撚りをかけるなどいくつかの技があるそうです。

img_9126

定番の帯締めから、様々な用途が考えられるカラフルな紐、おしゃれな蝶ネクタイまで、商品を見ているだけでも楽しいです。

img_9121

紐だけで作られている指輪。昇苑くみひものオリジナル商品です。

 

紐作りだけでなく加工まで行うのが昇苑くみひもさんの特徴。定番の帯締めから、蝶ネクタイまで。店内には思わず手に取りたくなるような魅力的な商品が並びます。紐以外のパーツをなるべく使わずに商品を作るのがこだわりだそう。

職人さんのアイデアから生まれたという指輪を購入しました!

昇苑くみひもの玄関。素敵な柱飾りもくみひもで出来ています。

昇苑くみひもの玄関。素敵な柱飾りもくみひもで出来ています。

 

可愛いくみひもグッズも手に入れて大満足の体験でした。

さて、今年もあと僅か。年賀状はもう、書きましたか? 次回は竹笹堂で木版画の年賀状作りに挑戦します。お楽しみに!

昇苑くみひも 宇治本店
住所:京都府宇治市宇治妙楽146
営業時間: 10:00〜17:00
定休日: なし
Tel: 0774-23-5510
HP : http://www.showen.co.jp/

STUDIO

TEXT BY MARIE SAKIKAWA

PHOTOGRAPHS BY KUNIHIRO FUKUMORI

16.12.23 FRI 18:49

- RELATED POST -関連する記事